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学資保険の現状と注意点を解説します。

学資保険とは、生命保険会社が販売している、お子様の学費を貯めるための保険になります。契約時に定めた保険料を払うことで、お子様がそれなりの年齢になったときに、「お祝い金」、「満期金」という名義でまとまった額の給付金を入手することができます。

学資保険の現状と注意事項を解説したいと思います。

今日の時点での学資保険は低い金利で、昔のように払った保険料より多い額の保険金が手に入れられるという商品は無くなっています。その為に保険会社もちょっとであろうと利率を上げようと内容をスイッチしているように見えます。

かつての学資保険から判断すると中学校に進学、高校に進学、大学に進学の時点でお祝い金のような名義で保険金を手に入れられるものが多々あったようですが、現在では大学へ入学するタイミングから4年間あるいは5年間に保険金を手にする商品が数多くなってきているのではないかと感じます。そうすることにより、運用期間を長く取れるということになります。

そのほか保険料払込期間を短い期間にすることで、わずかであろうと利率を引き揚げる創意工夫を勧めているようです。ただ、今日の時点での低い金利で最長の22年間の保険期間でも10%に満たない学資保険となっているというのが現実です。

学資保険代わりの保険商品でも

学資保険が低い金利となり、魅力が無くなった頃から、学資保険じゃない保険商品で教育の資金を準備するということもありました。

オーソドックスな商品というのは、低解約返戻金型終身保険でしょう。こちらの商品は保険料払込期間中の解約返戻金を7割程度に減退させて、運用に回す保険料を多くし、保険料払込が終わったら払込保険料よりも解約返戻金が過多になるという商品です。

しかし、こちらの商品も現在の低金利時代では極めて利回りが低くなり、急速に魅力が無くなり昨今では、こちらの商品を学資保険代わりに加入される方も少なくなってきているかも知れないのです。

また、近頃では日本より利率が高いということから外貨建ての低解約返戻金型終身保険を学資保険代わりに加入される方も見られますが、私は為替リスクを考察すると学資保険代わりとしては好ましくないと言えます。

そのほか海外の金利もダウンしていることで、今日に至る迄のようなメリットも薄くなってきています。

保障以外での懸案事項

お子さまが生まれた時期は家族円満な時期と言えるかも知れませんが、年月が過ぎ行き夫婦関係が悪くなって、最悪のケースでは離婚ということもあり得るかもしれません。そんな時、親権は奥さまが取られて、お子さまを引き受けるというケースも多いです。

そのようなときに、学資保険代わりに加入している保険では、基本的には旦那さんが被保険者になっていることが増加していると思います。

学資保険代わりに加入されている保険では、被保険者を変更できることもありますが、実際のところは被保険者の変更はできなくて、ひとたび解約をして新たな形で保険に加入しなくてはならないケースも出現します。

まだ絶対必要な時期までに時間があれば問題ないのですが、現在の様な低金利では加入期間が短ければ受取金を増加させることが不可能になってきます。

学資保険の被保険者はお子さまではありますが、保険料払込免除特約という契約者が死亡あるいは高度障害になったときに保険料が免除され、お祝い金や満期金は満額受け取れるという特約の契約が付いているケースでは気をつける必要があります。

学資保険ではお子さまが被保険者なので、契約者だけを変更したら良いかもしれませんが、こちらの保険料払込免除のセットになっている契約では契約者の死亡保障が付いていると見なされ、変更を成し得ることができない保険会社や変更するタイミングで保険会社に申請を出さないといけない所もあります。

学資保険を一度でも解約して、新たな形で学資保険に加入しようと想定します。学資保険は被保険者となるお子さまの加入年齢の上限も限定されていますし、もし加入できる年齢だとしても、以前加入したときよりも契約条件は悪くなって、返戻率は低下します。

前契約の解約で払った保険料よりちょっとの解約返戻金を受け取り、そのほか利回りの悪くなった保険に加入しなおすことで、教育のための資金の準備としてのお金がどんどん目減りしてしまいます。

まとめ

学資保険は、子どもの学資をストックするしくみだけに限定した金融商品で、概していえば保険の役割はないと言えなくもないのです。

従来、学資保険のメリットとして列挙されてきたポイントは、ちゃんと検証を加えれば、どっちともメリットとはとうてい言えないものです。

かえって、インフレに弱い、その他に良い積立方法があるというクリティカルなデメリットがあります。例えば、米ドル建て終身保険は際立ったラインナップの一つです。

現状、わざわざ学資保険を選択するメリットはないと思います。あなた自身に合った積立方法を選ぶポイントは、「積立効率の高さ」と、「リスクの内容・程度・対処法」でしょう。